千曲錦酒造株式会社
歴史と伝統息づく
酒造りを活かした挑戦へ
昔から長く愛されてきた日本酒を軸に、新たな商品開発に向けてスタッフ全員が知恵を出し合い、未来を切り拓く老舗酒蔵です。
創業340余年の老舗酒蔵
千曲錦酒造は、戦国時代に活躍した武田信玄の二十四将のひとりである原美濃守虎胤の子孫が、勲功として拝領した佐久岩村田の土地に移り住み、江戸時代の1681(天和元)年に屋号を「吉田屋」として酒造業を始めたのがきっかけとされる歴史ある酒蔵です。
1929(昭和4)年に当主の原治助が「千曲錦酒造株式会社」を設立し、初代社長に就任するとさらに発展を続け、東京へも進出。戦時下で軍用アルコール、戦後に酒類原料用アルコールの生産などを経た後、1962(昭和37)年、現在の場所に本社を移転しました。高度成長期の大量生産に対応するため、手順に沿った工程で洗米・仕込み・貯蔵が行える4階建ての仕込み蔵、自社で精米するための大きな精米機や連続蒸米機、多くの酒母タンクを導入し、千曲錦酒造ならではの酒造りに邁進してきました。現在では製法や工程が変化したこともあり、すべての設備が残っているわけではありませんが、当時の設備を活かしながら、酒造りを行っている部分もあるそうです。
千曲錦酒造が誇る味わい
酒蔵を代表する日本酒「千曲錦」は、美しい紅葉が川面に映る様を重ねて命名された逸品で、米の旨みが感じられる輪郭のしっかりとした辛口の酒として長く愛されてきました。また、江戸時代から流れる時の深みを感じさせる「吉田屋治助」は、屋号「吉田屋」と初代社長の名「治助」を冠した美酒で、上質の旨さにこだわり続けています。他にも、10人に1人でも「これでなければ!」と言われるような個性がコンセプトの「帰山」や地元契約栽培米100%使用の「さっちらかまけて」などの主力商品が揃います。
酒造りの製法を活かした新たな商品開発
日本酒のイメージが強い千曲錦酒造ですが、近年は新たな取り組みとしてリキュールの開発にも力を入れています。繊細な日本酒製造技術を活かし、果物やはちみつなどの地元の素材と融合させ、芳醇でありながらも軽い口当たりの多種多様なジャンルの酒造りを目指しています。
純米吟醸を使ったオールインワンタイプのモイスチャーゲル「美肌仕込」も販売中で、今後は化粧水や乳液など、商品のラインナップを増やしていく予定とのこと。
すべての社員が一丸となって
「杜氏の北島氏は造りのこだわりの一つに酵母や酒米の新たな可能性の追求や新たなジャンルの酒造りに取り組むチャレンジ精神の強い人物」と評価する鎌田社長。会社として新しい挑戦を続けるためには、杜氏や経営者だけでなく、営業スタッフや事務員をはじめとするすべての社員が商品開発の一員として知恵を出し合い、取り組むことが重要であり、今それを実現できていることが千曲錦酒造の強みだと言います。
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すべての根幹にあるのは酒造りであり、その技術を様々なものに波及させていく…。これからの千曲錦酒造の展開から目が離せなくなりそうです。