信州人    

車いすカーリング選手

中島 洋治さん

車いすカーリングに出会う

幼い頃はスポーツが好きで、みんなで集まって野球をするなど、ごく普通の子どもでした。生まれ故郷の南相木はスケート競技が盛んな土地ということもあり、学生時代は冬場の授業の半分がスケートの授業に。仲間と一緒に滑ったことも良い思い出です。ごくごく無難に学生時代を過ごし、社会人になりましたが、23歳のときに交通事故に遭い、脊髄を損傷。車いす生活になり、自宅と会社を往復する毎日を送っていました。 2004年に佐久近辺の車いす仲間から「車いすカーリングを一緒にやらないか」と誘われ、4人制の車いすカーリングチームを結成しました。初めて車いすで氷に乗ったとき、普段生活している床の上と同じように動くことができることに感動したのを今でもよく覚えています。最初はストーンを投げてもハウスと呼ばれる円に届かず、思うように投げることができませんでしたが、練習を重ねるうちに自分の思ったところに投げることができてくると面白さを感じるようになりました。当時は車いすカーリングの情報が少なかったため、仲間と試行錯誤しながら練習を重ねました。


2025年3月にイギリスで開催された「車いすカーリングミックスダブルス選手権」での様子。決勝はスコットランドに快勝!

世界と戦うことができる

2004年に開催された第1回日本車いすカーリング選手権大会では見事優勝。2005年にイギリスで開催された世界車いすカーリング選手権に日本代表として初めて出場しました。結果は13位ではありましたが、世界の強豪に3勝できたことが自信につながりました。2007年・2008年にも世界選手権に出場。その後も国内外の大会で経験を積み、2010年のバンクーバーパラリンピックには日本代表として出場しました。 2022年からはミックスダブルスの世界選手権が開催されるようになり、長い間4人制チームで共に戦ってきた小川亜希さんとペアを組み、大会に出場。2024年の世界車いすミックスダブルスカーリング選手権では4位でしたが、2025年は優勝することができました。そして2026年ミラノ・コルティナ冬季パラリンピック車いすカーリングミックスダブルスの日本代表に内定しました。

長く競技を続けていきたい

車いすカーリングのルールは、男女混合のチームであることと、ブラシで氷を掃く「スウィーピング」ができないこと以外は、カーリングのルールと変わりありません。ストーンを投げる際は、専用のスティックを使いストーンを押し出します。またスウィーピングができないことからよりショットの正確さと戦略が大切になってきます。 普段は月に数回、週末に軽井沢などに集まって練習をしています。遠くから来る仲間がいることや、通年で練習できる場所が限られているため、貴重な練習時間を大切にしています。 健常者と一緒にチームを組んだり、対戦できる大会が開催されることもあり、障がいのあるなしに関係なく、一緒にできるのも車いすカーリングの楽しさのひとつだと思います。競技を長く続けられるのもこの競技の良さのひとつ。体が続く限り、車いすカーリングを続けていきたいと思っています。

なかじま ようじ 1964年南相木村生まれ ミネベアミツミ株式会社勤務 2004年第1回日本車いすカーリング選手権大会に出場し優勝 以降第6回まで連続優勝、2025年5月第21回大会優勝 2005年より日本代表として世界車いすカーリング選手権(4人制)に3回出場 2010年バンクーバーパラリンピックに日本代表として出場 世界車いすミックスダブルスカーリング選手権2024年4位、2025年優勝 2026年ミラノ・コルティナパラリンピック車いすカーリングミックスダブルス日本代表内定




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