BRAND HISTORY    

BRAND HISTORY vol.8

株式会社ジオヒルズ

株式会社ジオヒルズ

御牧ケ原で育ったブドウが
ワインとなり、人々のもとへ

小諸の老舗旅館・中棚荘の5代目荘主が手掛けたブドウが、時を経て、魅力的なワインへ…。父子が育んだ味わいが多くの人に届けられます。

 

5代目荘主の夢がカタチに

 島崎藤村ゆかりの宿として有名な中棚荘5代目荘主・富岡正樹さんが、御牧ケ原の台地でワイン用のブドウ栽培を始めたのは2002
年。かつて新婚旅行でフランスを訪れた際、一面に広がるブドウ畑を目の当たりにし、「いつか自分でブドウを栽培し、オリジナルワインを作りたい」という夢を抱いた正樹さん。もともと地産地消の想いが強く、様々な作物を手掛けていたこともあり、小諸のワイナリーから御牧ケ原でのブドウ栽培を打診された際には、かつて抱いたワインへの情熱が駆り立てられ、挑戦を決めたと言います。


御牧ケ原は海底だった場所が隆起してできた準高冷地で、360度開けたテーブルランド状の台地です。土壌はローム層が広く分布する強粘土質で、水はけは決して良くはありません。しかし、降水量が少なく、昼夜の寒暖差があり、風が吹き抜ける環境のため、ブドウの生育は通常よりゆっくりではあるものの、年数が経てば経つほど樹が力強く成長し、高いポテンシャルを発揮するのだそうです。

ブドウ栽培からワイン醸造へ

 5年間ベトナムでボランティア活動を行っていた三男の隼人さんが2015年に帰国。東御市のアルカンヴィーニュが主催する「千曲川ワインアカデミー」の一期生としてワイン造りを学びました。ちょうどこの頃、小諸市がワイン特区に認定されるなど、様々な好機を経て、2016年に株式会社ジオヒルズを設立。2018年のジオヒルズワイナリー完成とともに隼人さんが醸造責任者となり、初醸造を迎えることとなりました。

醸造は引き算

 「美味しいワインを作るには、美味しいブドウを育てなければなりません。同じ品種でも、気候風土の違いから同じ味にはなりません。その年の天候によっても味は大きく変化します。ブドウ自体の美味しさを活かすため、ブドウにとってマイナスな作業は極力避ける必要があり、〝醸造は引き算〟です。美味しいワインを作るのは一生のテーマ」と隼人さんは言います。
ブドウ本来の味わいを活かしたワインは、自社畑のブドウを醸造し1年熟成させたドメーヌシリーズやシャンパーニュ製法で3年以上熟成させたスパークリングワインなどが揃います。中でも、契約農家で育まれたシャルドネを醸造した「cʼam o’n chardonnay」は、日本人女性が選ぶアジア最大級のワインコンペティション「SAKURAアワード2025」で金賞を受賞。アジア最大級のワイン審査会「JAPAN WINE CHALLENGE 2024」で「cʼam o’n merlot」が金賞を受賞するなど、各品評会で高い評価を得ています。

 

本格ベトナム料理とともに

 ジオヒルズワインナリーの「ジオ」はベトナム語で「風」、「ジオヒルズ」は「風の吹く丘」を意味します。御牧ケ原で育ったブドウがワインとなり、風に乗って多くの人に届くようにとの想いが込められています。
ワイナリーにはレストランが併設され、ベトナム人の奥様が、ワインと相性の良い本格的なベトナム料理を提供しています。

                     

 ブドウ栽培から収穫、醸造、流通、販売までを自ら手掛ける隼人さんは、子どもたちの将来のきっかけになればと「ワイン文化を未来へ繋ぐ会」を立ち上げ、地元の小学生や高校生と様々な活動をしています。「ワイン作りは一代で完結する産業ではなく、次の世代に引き継いでいくもの。そのきっかけになれば」とワイナリーの挑戦は続きます。


株式会社ジオヒルズ
TEL 0267-48-6422

住所 小諸市山浦富士見平5656

HP https://giohills.jp/


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